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ITエンジニアに伝えたい、文章力と昇給の関係

ITエンジニアのみなさん、読みやすい文章の書き方を教わったことはありますか?僕は15年、IT業界でエンジニアをしていますが、一度も職場で教わったことはありません。

例えば、読みやすい文章を書くテクニックの1つに「順接の”が”を使わない」があります。
「今日は9時から会議があったのです”が”、そこでこんな話がありました」
これが順接の”が”(英語だと”and”)です。
“が”は逆接の意味(英語だと”but”)でのみ使うと、読みやすい文章になります。教わったことありましたか?

ITエンジニアの本分は、読みやすい文章を書くことではありません。ただ、文章力が低いがゆえに、損をしているITエンジニアを、僕はよく見ます。文章力の重要性に気付いて欲しい、損をしないで欲しい、そんな思いでこの記事を書いています。

※「noteを書き始めて1年経って変わったこと」で書いた通り、読みやすい文章を書くことは本当に難しく、僕自身、今でも改善の道半ばです。

「文章力」とは

調べたところ、以下の説明が一番分かりやすかったので、引用します。

文章力とは、「伝えたい相手に伝えたいことが届く文章」を書く力

文燈

文章力と昇給

これは僕が見てきた狭い世界の話です。ザ・日本企業に勤めているITエンジニアの場合、文章力が低いと昇給しにくいように見えます。

会社員が昇給するにあたり、最も重要なことは何でしょうか。とびきりの成果を上げることでしょうか。違います。それは適切な目標設定と、適切な自己評価です。

「目標設定と自己評価なんて面倒だなぁ。仕事溜まっててそれどころじゃないし。適当に書いて早く提出しなきゃ。」社会人9年目くらいまでそう思っていました。提出することが目的になっていて、内容は二の次でした。

当時、僕の文章力はあまりに低くて、誰に伝えるために自己評価の文章を書いているのかすら分かっていませんでした。僕の上司なのか、そのまた上司なのか、他部門の上司なのか、人事なのか。
「伝えたい相手に伝えたいことが届く文章」からは程遠いですね。。

他人の評価を見るようになって気付きました。同じような人がいっぱいいる、しかも、すごい成果を上げているのに文章で全然表現できていない、と。

成果を盛ることを勧めるわけではありません。成果を正しく伝える文章が書けておらず、過小評価されても仕方のない文章になってしまっていることが多く、もったいないのです。

「口頭で補足」の罠

「直属の上司との面談のときに、口頭で補足するから、文章でうまく表現できなくても大丈夫。」
そう思っている方もいらっしゃるでしょう。ただ、2つ懸念があります。

まず、文章がひとり歩きする可能性があります。いくら直属の上司へ口頭で説明しても、最終評価者までの伝言ゲームがうまくいく保証はありません。多くの部下を抱える上司であればあるほど、このリスクは高まります。

情報共有を目的に、メールを転送したり、チャットをコピペしたりしたことはありませんか?口頭で内容を補足されたとしても、テキストをそのまま転送するのが楽です。文章はひとり歩きしやすいものなのです。(それで情報共有できていることになるのか、という話はここでは置いておきます)

次に、僕の経験上、文章力が低い人は、口頭での説明も下手なことが多いです。文章を書くというのは、時間をかけて、推敲することができます。一方、口頭の場合は、リアルタイム性が求められます。時間をかけても伝わる文章を書けないのに、どうして即興で伝わる文章を喋れるのでしょう。

口頭だと伝わる気がしますよね。それは、上司が質問することにより、「伝えたいこと」が明確になっていくからです。逆に言えば、「自分の力では、伝えたいことを明確にできない人」という評価を下されかねません。

ITエンジニアの評価軸

「文章力に左右されるなんて、おかしい。評価は定量的であるべきだ。」
その通りだと思います。ぜひ定量的な評価制度を提案してください。

「ITエンジニアは技術力があれば良い。」
こういう考え方もありますよね。これにはひとつ注意があります。文章力ゼロで技術力のみの仕事は、下流工程が多いです。下流工程だけの仕事をするには、会社選びが重要です。技術力だけで採用すると言われ、うっかりSESやITゼネコンの4次受けあたりに入社したら、その時点で昇給の上限が見えています。(技術力を身につけるには、良い環境だと思います。)

ITエンジニアは文章力を高めやすい

伝わる文章の書き方には、いくつかのルールがあります。数学で言えば、公式です。その公式を使えば、読みやすい文章が量産できます。理系の方はすんなり入れるのではないでしょうか。

また、ITエンジニアはアルゴリズムを考えることや、論理的思考が上手な方が多いです。これは、文章のストーリーを組み立てるにあたり、重要なスキルです。

ITエンジニアの方のQiitaやnote、SNSを見ると、文章力の高い人が多いように見えます。読みやすい文章の書き方を勉強したかどうかは分かりません。アウトプットすることによって鍛えられているのは間違いないです。

読みやすい文章を書くにはどうすればいいか

文章を書く練習は大切です。でも、ただ書くだけではうまくなりません。読みやすい文章の書き方を知った上で、書く練習が必要です。

読みやすい文章の書き方がまとまっていて、分かりやすい本はないかと探していたところ、本屋でこの本を見つけました。一度は書いたことあるような文章ばかり、悪い例として取り上げられていて、即効性があります。お勧めです。

※購入したのはKindle版ですが、紙の本を買えば良かったと少し後悔しています。Kindleに最適化されておらず、画像表示で、テキストコピーができません。

登場する例文を読んで、過去を思い出しました。10年前の僕に買ってあげたかったです。そうしたら、障害起こして怒られ、障害報告したら意味不明と言われてさらに怒られる、というダブルパンチを食らわなくて済んだのに。。

最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になりましたら嬉しいです。