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なぜあなたの社内周知メールは伝わらないのか(マインドセット編)

「社内周知メールを出しても、読んでもらえない。伝わらない。意味わからないって言われる。」
そんな悩みを持っている方に向けて、僕が10年間、社内周知を出し続けて得た知見をお伝えします。

この記事は、2本立ての前半「マインドセット編」です。後半「テクニック編」については後日公開します。

メールを出すことが仕事なのか?伝えることが仕事なのか?

最初に考えていただきたいのは、社内周知メールを出す目的です。

「何のためにそのメールを出したの?」って聞くと、一定の割合で「メールを出せと指示されたから」と回答する人がいます。
果たして、指示した人は「メールを出すこと」を目的に指示したのでしょうか。

もちろん、形式的にメールを出すことが大切なこともあるかと思います。ですが、多くの場合、何かしらの情報を読み手に伝えたり、読み手のアクションを促すことが目的ではないでしょうか。

メールを出すこと自体を目的と考えている人は、自分(書き手)主体で考えています。
一方、読み手に情報を伝える、もしくは、読み手にアクションを起こさせることを目的と考えている人は、相手(読み手)主体で考えています。

これは僕の経験上ですが、前者のマインドセットの人は、いくら文章を書くテクニックを伝えても、身につきませんでした。結局は、「メールを出せば良いんでしょ」という気持ちが文章ににじみ出てしまうのです。

大切なのは後者のマインドセット、つまり相手(読み手)主体で考えることです。

書き手と読み手の意識の違い

なぜ読み手を主体で考えることが大切なのか。

それは、書き手(周知する側)と読み手(周知される側)の間には、大きな意識の違いがあるからです。

書き手は、メール本文を最初から最後まで、一字一句漏らさずに読んでもらえることを想定しています。
なので、読み手の理解が足りないと、「ここに書いてるのに、なぜ理解できないんだ。ちゃんと読んでくれ」となります。

読み手の場合、まずメールの件名を見て、本文を読むかどうか判断します。なので、未読メールが溜まっている人も多いのではないでしょうか。

さらに、メール本文を開いたとしても、最後まで読まない人もいます。よく分からない内容だったらそこで読むのを諦めて、離脱します。僕の感覚では、メールの最後まで一字一句逃さず読む人のほうが珍しいです。

このように大きな意識の差があるので、書き手主体で考えていると、読み手には受け取ってもらえないのです。

メールを読まないのは仕事放棄?

「届いたメールを読むのは仕事。読まないなんて仕事放棄だ」
「ちゃんと書いてるんだから、一字一句読むのが当たり前だろう」

そう思う人もいるでしょう。僕も昔はそうでした。ですが、自分の仕事が忙しくなって気付きました。メールを全部読むのが厳しいことに。

あなた自身も、他部門から発信された社内周知メールは未読のまま、なんてこともあるのではないでしょうか。

もちろん、忙しいからと言って、メールを読まなくて良い理由にはなりません。ですが、書き手にとっては1通のメールでも、読み手から見たら色々な部門から様々な周知メールが届きます。

なので、メールは読み手に配慮して書く必要があるのです。

余談です。 ホームページや広告メールの場合、離脱ポイントや読了率を測ります。なぜここで離脱したのか、なぜ読了率が低いのかを調査して、顧客獲得に努めるためです。こういったマーケティング要素を、社内周知メールに盛り込むのも面白いかなって最近思ってます。

分かりやすいメールを書く費用対効果

「仕事が山積みで、メールを書くのにそんなに時間をかけていられない」

その気持ちもよく分かります。そんなときは、費用対効果を考えてみましょう。

最近、あなたの出した周知メールは、理解するのに何分かかると予想して書きましたか?
あなたの書いた文章の内容を理解するのに5分かかるのであれば、会社全体で、5分×社員数分の時間がかかります。

これを、書き方を工夫して、1分で理解できる内容にできたらどうでしょうか。
仮に、100人に対する周知メールだとしたら、500分→100分で、400分が削減できますね。ということは、メール本文の遂行に6時間をかけたとしても、元が取れます。

もし本当に、1通のメールを出すのに6時間かけたとしたら、あなた自身のタスクはその間にも増え続けていって、余計に忙しくなるかもしれません。でも、会社全体で見れば、多くの社員の無駄な時間を削減したことになるのです。

「1通のメールを出すのに6時間もかけたのか!?」って言われても、堂々と「はい。その代わりに全社員の時間を400分削減しました」って言えば良いのです。(本当に削減できたらの話ですが)

最後までお読みいただきありがとうございました。
後半「テクニック編」は後日公開予定です。